「20代以上の大人の進学について」と題して実際に大学に進学した卒業生にインタビューを行いました。
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自己紹介
最初に、名前と旭陵高校を卒業した年と、今通われている大学を教えてもらっていいですか。
岩田と申します。
2024年の3月に旭陵高校を卒業いたしました。
今通っているのは日本福祉大学の通信教育部の福祉経済学部です。
① いつ頃から進学を考えていたか
今日は20代以上の大人の進学についてということでお話を伺うんですけれども、いつ頃から大学とかも含めた進学を考えていましたか?
旭陵高校に入学してしばらくはとにかく高校をまず卒業するということで、それだけが目標だったんですが、
2年生になって旭陵校舎のK2教室を使うようになって、そこで進学就職資料コーナーの通信制大学のパンフレットを見つけたのが、一番最初のきっかけだったかなと記憶しています。
そこから実際に何か調べたりとか具体的に動き始めたとかっていつでした?
そうですね、本当に動き出せたのは4年生の後期に入ってから
卒業する年の最後に、そこから願書取り寄せたりとか
そうですね、本当にもうギリギリになってしまったし、最終的に決断できたのは本当に願書の締め切りの時期でした。
そこまで結構いろいろと悩まれたりとかってことがあったわけですね。
そうですね。2年生の時に通信制がある、大学にも通信制があるんだなってことは発見できていたんですが、自分は体調が不安定な時期もあって、毎日目の前のことで、まず高校のレポートするとかで、目の前のことでいっぱいだったな、必死だったなって記憶しています。
② 進学をしたいと考えたきっかけや理由
進学をしたいと考えたきっかけとか理由って何かありましたか?
今不登校で悩んでいる方が多いと耳にしたり、旭陵高校の中でも校誌(冊子)とか生活体験発表会を通して、様々な背景の中で皆さん入学されているということを知って、
私自身も中学校の時に不登校になって、私の場合はやり直すまでに、ここの旭陵高校にたどり着くまでに約20年かかってしまって、その間もずっと苦しかったので、旭陵高校で過ごした時間の中で、学ぶことの大切さだったり、必要性を痛感したり、自分にできることを何もないかもしれなくても探したいと強く思ったのがきっかけになって、
そもそも人生の様々な場面の悩みに一緒に向き合うには何が必要でどういう方法があるのかなということを知りたくて、福祉とか心理系の勉強ができる大学を探しました。
じゃあ結構この学校で学校生活を送ったこととか学んだことも、分野選択にはかなり影響していたということですかね。
本当にそこが強いきっかけになりました。
もうちょっと勉強したいなという気持ちもあったんですね
そうですね
純粋にせっかく勉強するっていう機会を、本当に私の場合はゼロからに等しかったんですけど、3年間やってきたのでもう少し勉強を続けてみたいなと純粋にそういう思いがありました。
③ 進学をする上で悩んだことや迷ったこと
進学をする上で、やっぱり前向きな理由が、進学したいなって思いがありながらも、悩んだことや迷ったこと、あったんじゃないかなと思うんですけども、そこについてお話いただいてもいいですか。
特に悩んだのは3つありまして、
これから先卒業した後の生活と仕事との両立ができるかどうか、新たに本当は就職しようと思っていたのでそれをうまく両立できるかなというところと
あと一番大きかったのは年齢のことです。
今からさらに大学4年間通って、その後に資格を取得したいなと考えていたので、受験をして全く未経験の業界に飛び込むというのは、とても厳しいことですしもし、それがうまくいかなかったらそこからまた別の仕事を探すというのはもっと厳しいというところですね。
3番目は学費のことです。
卒業後定年まであと何年働けてどれくらいで採算が取れるかなっていうことも正直考えました。
そうですよね。
学費は通信制大学だと比較的抑えられているとはいえそれでもやっぱり負担にもなりますね。
本当におっしゃる通りだと思います。
じゃあ残りの自分の働ける期間とかける時間、お金がある種、見合っているかどうかというところを天秤にかけて、それでも今回決めたいというところは、それでもという思いだった。
そうですね、自分にとって、今の自分にとってはやっぱり学ぶっていうことにとても価値を感じていた、そこが後押しになったかなと思います。
④ 進学を決断した決め手
進学を決断した決め手について、もう少しお話いただいてもいいですか?
はい。
考えていく中で、自分がどうしたいのか、何を優先すべきなのか、途中で本当にわからなくなってしまいました。
その時に、この旭陵高校のクラスメイトとか、あと旭陵高校の先生方に、たくさん相談させていただいて、その相談していく中で自分の気持ちに気づくことができたというのが、大きいです。やっぱり自分は進学したいんだなってはっきり分かりました。
それが分かっても、今度はやっぱり進学したいと決めても、体力にも正直学力にも自信がなかったので、現実的に自分に本当に大学、本当に自分できるんだろうかっていうのが大きかったです。その時にいくつか行動をして一個一個イメージをしてきました。
説明会とかにも参加はされましたか?
はい、これがすごく大きかったなと思うんですが、通信制大学の合同入学説明会というのが名古屋でも開催されていて、それが1月なのでまだ間に合うなということで、そこに足を運びました。
そこで各大学の実際のテキストとかシステムですね、こういうふうに勉強するよっていうブースがそれぞれあって、そこで実際まず確認してみたっていうのはすごく大きかったと思います。
じゃあ迷われている人にも、ぜひそこは行ったほうがいいっていうことですね。
そこはお勧めしたいですし、あとは今は通信制大学生の方がよくブログだったりVlogを投稿されていたりするので、そういうのを探して、どんな学習スタイルで実際どういうふうに生活されているのかっていうのを見に行ったりしました。あと一番大きかったのは、やっぱりもう最後に後押しになったのは、時間は有限だなっていうことを、人生には終わりがあるんだなっていうことを痛感するようになって、
今までの自分だったら、全部の準備が整ってからでないと、先に踏み出すっていうことができなかったんですけれども、これが整ったらやろうって言っているような時間は、もしかしたらもうないかもしれないなって思ったし、
私も旭陵高校に来てやり直すまでに20年かかってしまって、出会ったクラスメイトとか先生方が本当に大好きなんで、間違いなく今でよかったんですけど、ただやっぱりもっと早くここにたどり着きたかったなとか、もっと早く行動してたら、いろいろと違っていたなという後悔もすごく深かったので、それを踏まえて、今から進学して4年間ノンストップで走り続けられなかったとしても、もういいじゃないかって、(その時は)自分を許して、休学するっていう条件も調べて、
単位制なんで続きからまた始められるし、とにかくできるところまでやってみよう、とにかくやり始めようって思った瞬間に進み出せた、段階を重ねて踏み出せたということですね。
そういうことはある種大人だからこそ気づける、10代だともっと長い期間がこの先の人生あるって思えるところも、やっぱりそういうところはあるかもしれないですし、全ての準備が整ってなくてもできることからやっていくっていうのは、大切なことだと思います。
今までの後悔を踏まえているところは大きいです。今の頑張れるとか信じられる一つになっているという感じですかね。
⑤ 実際に進学をした現在の心境
実際に出願をして、進学をされて、現在半年ちょっとですかね、過ごされてきたと思うんですけども、
現在どうですか、実際その学習の状況とか生活に関しては。
はい。
正直にお話しすると、入学してからしばらくは本当に孤独感とか思うように進んでいかない焦りでいっぱいになりました。
私の通信制大学は入学式も試験も全部オンラインですし、授業も基本的にはオンデマンドの録画の授業で完結するので、これまでの旭陵高校の生活のように、毎日の学習の細かい疑問を相談し合えるクラスメイトだったり、対面で質問できる先生っていうのが、みんな一人でやっていくっていうところだったり、全て自分で管理する、本当に全て自分で管理していくっていうところですね。大変だったんですが、3年間高校でやってきたことを思い出して、そもそも自分が高校を卒業するなんて絶対無理って思ってたことが、できたっていうのがすごい支えになって、無理と思ってたけどできたっていうことで、それを支えに一個一個積み重ねて、今はやっぱり進学して大学で学びを経験できていることは、本当に良かったなと新しい発見もできて思えています。
やっぱり旭陵高校で3年間自己管理しながらやってこられたことも、今の頑張れるとか信じられる一つになっているという感じですかね。それがなければできていないと思います。本当にそれが今の自分の土台になっています。
⑥ 20代以上の大人の在校生へのメッセージ
最後の質問なんですけれども、旭陵高校にも岩田さんと同じように、20代以上の、いわゆる大人と言われる方が、いろんなお仕事だったり、家庭の事情、いろんなことありながらも懸命に学ばれていて、岩田さんと同じように、もう少し学んでみたい、でもって思う方が多分いっぱいいらっしゃるんじゃないかなと、思うんですね。そういった方にメッセージがありましたらお願いします。
本当に進路を決断するのは本当に簡単じゃないですし、答えが出るまで本当に苦しいですよね。そうだと思います。
ただどうしても現実的に願書だったり、奨学金の受付には期限があって、説明会も日程が決まっているので、誰かに相談するにも考えがまとまってなかったり、アドバイスをもらってその通りにできなかったらって考えると、踏み出せないかもしれないんですけれども、特に奨学金はいろいろな種類があって複雑なので、困ったらぜひ奨学金の相談ができる担当の先生に、助けを求めてみてください。私はちょっと出遅れてしまいましたが。あとは学ぶスタイルは本当にたくさんあると思います。通信制でも大学によって全く違うので、テキストを使うのかテキストがないのかだったり、
レポートの提出スタイルも、郵送で添削を受けるのかも、全てオンラインでできるのか、学習が自宅で完結できるのか、スクーリングがたくさんある方がいいのか。通信制は通学に比べると少ない費用、学費ではあるんですけれども、本当に通学じゃなくても、自分にやりたいことができるのか、目的に合わせて資格を効率的に取りたいのか、学びをもっと深めたいのかによっても、そのあたりは変わってくると思いますので。私の大学は通信でやってみて、条件が合えば通学に(切り替える)。試験がありますけれども、そういう方法もあるかもしれないので、ここがちょっと自分の目的とスタイルが合わないと、本当に辛くなってしまうと思いますので、よく吟味してみてくださいということと、あとは最後に考え尽くして、やっぱり進学じゃないなっていうのももちろん選択の一つだとしても、どうかご自身がこれだな、これだと納得できる答えにたどり着けるように、私は心から祈っております。